子どもが生まれてからは、保障をどう考えればいい?

新婚のうちはそれほど死亡保障が必要なくても、子どもが誕生すると、親には子どもが自立できる時期までの大きな経済的責任が生じます。万一のことがあった場合への備えを、本格的に設計する時期です。

保障設計を立てるにあたり、ベースとなるのは公的保障の「遺族年金」です。夫が死亡した場合、遺された妻は、子どもが18歳になる年度末(一般的に高校卒業時)まで「遺族基礎年金」が受け取れ、夫が会社員のケースでは、上乗せの「遺族厚生年金」が再婚したり恒常的に850万円以上の収入が生じたりでないかぎり、一生涯もらえます。たとえば、子どもが2人いるケースでは、遺族基礎年金だけで月額10万円程度の収入が確保できることになります。

遺族厚生年金からは、遺族基礎年金が終了してのち妻が自分の老齢基礎年金をもらえるようになる65歳まで、「中高齢寡婦加算」も受け取れます。

早めに教育資金を確保する家計プランを。

子どもが成長して学齢期になれば、教育費負担が重くのしかかってきます。必要時期が迫ってから慌てないように、教育資金作りを子どもの小さいうちからスタートしておくことです。教育資金作りというと「学資保険」「子ども保険」がイメージされがちですが、死亡保障がある分、貯蓄として効率の悪い内容になっているものも少なくありません。途中解約すると損が出る場合も多く、続ける自信がないなら利用しないか、少額にとどめるのがいいでしょう。積立額の増減や一時ストップなどが柔軟にできる「積立貯蓄」の活用が無難です。家計管理に気を配り、貯蓄ができる健康な家計を目指しましょう。

親としては子どもの保障も気になるところですが、自治体の「乳幼児医療費助成」や幼稚園、学校に通い出せば「災害共済給付制度」など、すでに備わっている子どもの保障は多いもの。子どもの保障は過剰にならないよう、家計と掛金のバランスを考えて適切な保障を検討しましょう。

POINT

  1. 子どもの誕生は親の経済的責任が増す時、「遺族年金」の仕組みを知り備えておきたい保障額を算出する
  2. 教育資金作りを「学資保険」など保険商品だけで行わず、「積立貯蓄」を活用する
  3. 自治体の医療費助成などもあるので、心配だからと子どもの保障を過剰にしない

浅田 里花

1959年兵庫県生まれ。

1982年同志社大学卒業後、日興證券に入社、証券営業に携わる。1988年独立系FP会社株式会社エムエムアイに入社、ファイナンシャル・プランナーとなる。1993年フリーでの活動をスタート。生活者対象のファイナンシャル・プランニングを担当するほか、執筆、講演活動もこなす。現在、FPサービス会社株式会社生活設計塾クルー取締役、個人事務所リアサイト代表。日本FP協会会員CFP(サーティファイド・ファイナンシャル・プランナー)一級FP技能士。
著書は、『知ってトクする生命保険と個人年金の上手な掛け方選び方』(日本実業出版社)など。